武蔵野市住民投票条例の審議に関する一部の国会議員による地方自治への不当な介入に抗議する声明

武蔵野市住民投票条例の審議に関する一部の国会議員による地方自治への不当な介入に抗議する声明

【抗議趣旨】

2021年12月に武蔵野市議会で議論されていた住民投票条例の審議に際して、一部の国会議員が条例制定を阻止しようと反対声明を出し街頭宣伝活動を行い、市議会での議論に圧力をかけ誘導したことは、国会議員による地方自治への不当な介入であり、地方自治体の自主性・自立性を脅かすものであり、強く抗議する。

 

【背景と詳細】

2021年12月東京都武蔵野市議会第4回定例会に提案されていた外国籍の住民の参加を認める住民投票条例案が賛成少数で否決されました。この条例案は、武蔵野市自治基本条例第19条の規定に基づき市民自治を推進する仕組みの一つとして住民投票制度を設けることとされており、制定しようとするものでした。自治体の独自条例に基づく住民投票には法的拘束力はありませんが、「多様性のある市民の力を生かしたい」として、投票資格を3か月以上、市内に住所がある18歳以上とし、実質的に外国籍の住民も日本国籍の住民と同じ要件で参加できるとしたものでした。

 この自治体独自の住民投票条例の制定をめぐって、武蔵野市では2年以上にわたり専門の検討委員会を設置し、他自治体における先例の調査や自治法務部局との協議を経た上で市民意見交換会及びパブリックコメントの実施や市議会議員からの意見聴取等を行い、市民と行政が時間をかけて丁寧に議論を積み重ねながら条例案を作り上げてきました。しかしながら、外国籍の住民が投票に参加できる点についてインターネット上などで議論に注目が集まり、市議会内では賛否が拮抗し、さらに排外的な右派団体が市に押しかけてヘイトスピーチを繰り広げるなどの混乱に陥ってしまいました。

 そして武蔵野市議会での条例案の採決を控えた12月9日には、自民党の保守系グループ「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」(代表・青山繁晴参院議員)が、東京都武蔵野市の住民投票条例案に反対する声明を発表しました。

さらに、長島昭久衆議院議員をはじめ数名の国会議員が市内の駅前各所で条例案撤回を求める街頭演説を毎週末のように行い、条例制定を阻止せよ、条例案は撤回せよなどと訴えてまわりました。

 この行為は、明らかに国会議員による地方自治への不当な介入であり、地方自治の自主性・自律性への冒涜です。条例案に賛成か反対かの如何に関わらず、いやしくも国会議員が議員バッジをつけて、一地方自治体が住民投票条例という自治体の住民自治のありかたに関して自らで自主的なルールを決めようとしてる議論の真っ最中に、国会議員が地方自治体の議会の議論に介入し、議論を誘導し、圧力をかけるようなことは断固として許されることではありません。

日本国憲法の国民主権の理念のもと、地方自治法は地方自治体の自主性と自律性を定めており、地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むべく「地方分権」が進められています。今回の一部の国会議員による不当な地方自治への介入は、地方自治と地方分権の本旨に反するものであり、到底看過されるものではなく、強く抗議します。

以上

2021年12月28日

自治体議員立憲ネットワーク

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