自治体議員立憲ネットワーク
~2011年3月11日から10年~日本政府の原発政策の転換を求める声明

  東日本大震災、そして東京電力福島第1原発事故から10年を迎えます。
この10年、日本政府は脱原発の世論に背を向け、安倍政権下の2018年には原発を「ベースロード電源」と位置づけ、さらに菅政権下の2020年12月に発表した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では「原子力は、実用段階にある脱炭素の選択肢」と位置づけ、「多様な原子力技術のイノベーションを加速化していく」としています。そこには原発事故の反省は微塵もなく、「高コストの危険なエネルギー」である原発の再稼働を推進しています。
 しかし、溜まり続ける100万トン以上の放射能汚染水、東京ドーム17個分といわれる放射性廃棄物、80兆円を上回るとも予想される事故処理費用などの問題が山積しています。
 廃炉作業については、溶け落ちた核燃料(デブリ)は1~3号機で推計880トンに上るとみられ、取り出しには今後20~30年を要する見込みです。
 また、福島県内の甲状腺学校検査を縮小させようとする動きがあり、子どもたちの小児甲状腺がんなど健康被害を矮小化させることで原発事故を風化させ、復興を強調する印象操作が強まっています。
  さらに、いまだ故郷に帰ることができない避難者は、福島県内の避難者も含めると少なくとも6万7千人を超えますが、正確な数字や実態が把握されておらず、支援策は極めて不十分なままです。2012年に超党派で成立した「原発事故子ども・被災者支援法」は、予算措置が滞り、今や形がい化して放置されている状況です。原発被災者の棄民政策が進んでいると言わざるをえません。
 一方でこの10年、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの発電コストは蓄電池のコストとともに劇的に低下し、原発はもとより火力(発電)よりも安いエネルギーに変わりました。世界では再生可能エネルギーの技術が日進月歩で進化しており、日本が現状のままでは、増々遅れをとってしまいます。
 以上のことから、私たちは政府に対し、エネルギー基本計画を抜本的に見直して脱原発社会を構築することともに、「原発事故子ども・被災者支援法」の理念に則り、避難者や子どもたちの暮らしと健康を守るための政策拡充と十分な予算措置の実現を強く求めるものです。

2021年3月11日 自治体議員立憲ネットワーク