自治体議員立憲ネットワーク
声明 私たちは 米軍基地建設強化に反対し、地位協定のみなおし・改定を強く求めます。

【声明】
日米地位協定締結60年―改定への始動
「私たちは、米軍基地建設強化に反対し、地位協定の見直し・改定を強く求める」

 私たち自治体議員立憲ネットワークは、全国各地から参加した34名と沖縄の議員団と共に、本日早朝から辺野古基地建設現場を視察し、抗議行動にも合流し、無法な形で強行される基地建設現場の状況や破壊される海や自然を目の当たりにした。
 また、日米地位協定締結60年という今日的観点も踏まえ、午後は那覇市内で沖縄の現状について沖縄県副知事より報告を受け、沖縄の実情を学ぶことができた。
 日米地位協定改定の必要性は、ここ沖縄の地だけではなく、ここ数年、全国知事会や全国市議会議長会での決議でも明確に謳われており、地位協定が日本の自治体・市民の安心・安全を脅かす存在となっていることの認識は広がりつつある。
 しかし、地位協定は日本全体の問題であると同時に、その矛盾や問題は基地の集中する沖縄において、最も深刻かつ直接的な形で、人々の暮らしや人権、自然環境を脅かす形で明確に現れている。私たちは今回の沖縄研修でその実態をあらためて認識することができた。

 沖縄では、日米地位協定が許容する範囲内で人権が認められている、と表現するほかない日常が今日も続いている。1972年の沖縄返還後も米軍関係による事件事故は6,000件を超えるが、被疑者の身柄の引き渡しについても依然、米軍の「好意的考慮」が払われることを前提としている。民間地で起きた墜落事故でさえ、捜査当局の立ち入りが制限され、証拠の差し押さえもできず、氏名不詳のまま書類送検された機長は不起訴とされた。受忍限度を超える爆音が民間地上空で、昼夜問わずまき散らされ、住民が生活や健康への重大な支障を訴えているにもかかわらず、「米軍の運用には我が国の主権が及ばない」として根本解決を図ろうとしない政府を、裁判所も追認し「合法」のお墨付きを与えている。米軍基地を起因とする水源汚染が明らかであっても、自治体が立ち入って調査することができない。基地返還後の原状回復義務が米側に免除されていることからくる緊張感の欠如は、汚染の隠蔽や放置を招き、不安と負担が周辺住民、自治体に押しつけられている。

 また、ヨーロッパ各国と米軍との協定に関する沖縄県の詳細な調査報告を受け、特に国内法の適用や立ち入り権などにおいて、日米地位協定が著しく不平等であることをあらためて共通の認識とすることができた。特に、それら各国の協定が国民世論などを背景に改定を重ねてきたことを考えると、わが国政府の米国への屈従と無策ぶりは嘆かわしいばかりである。本来、安全で公正な社会を国民に等しく約束するはずの政府行政が思考停止に陥り、改定の要求すら掲げようとしない。むしろ、米軍の超法規的運用を、解釈をひろげて擁護し、あるいは協定からは読み取れないような非公開の「合意議事録」によって、排他的管理権や免法特権を条文以上に保障してきたもので到底看過できない。国民を欺いた歴史の検証と説明責任、何より主権国家として、国民の人権、自治の立場に立った見直し・改定が協定締結60年を迎えた今こそ政府に強く求められている。

 「沖縄が日本に甘えているのか、日本が沖縄に甘えているのか」と問いかけた翁長雄志前沖縄県知事の言葉は、政府に対してだけではなく、過重な米軍基地の負担や地位協定が強いる人権抑圧、主権放棄の問題を「沖縄問題」と矮小化して遠ざけ、関心の外に置いてきたこの国の主権者たる国民一人ひとりにも向けられている。「本土」の立憲ネットワークの自治体議員も、沖縄にこの現状を強要している政治に大きく重い責任を有している。その意味で私たち全員が沖縄基地問題の解決を担う当事者であり、地位協定問題の解決を担う当事者である。

 私たちは、圧倒的な民意を無視して続けられる辺野古基地建設にあらためて反対するとともに、日米地位協定締結60年にあたり、その抜本的見直し・改定に向け、地域活動のあらゆる機会を通じて運動を進めていく。そのために、この立憲ネットワークが超党派および無所属の議員のネットワークであることを最大限に活かし、全国の会員の議論と連携、とりわけ沖縄と「本土」側会員との連携をさらに強化する。会員が所属する各自治体議会への働きかけを強め、住民自治のとりでとなる自治体議会の本来の役割として、与野党を超えて、日米地位協定の抜本的見直し・改定に向けた意見書の採択につながるよう取り組みを推進することを決意する。

    2020年1月23日 

自治体議員立憲ネットワーク             
共同代表 西崎光子(生活者ネットワーク・前東京都議)
        ゆさみゆき(立憲民主党・宮城県議) 
            松谷清(緑の党・静岡市議) 
           玉田輝義(無所属・大分県議) 
           高田良徳(社民党・香川県議) 
           仲村未央(社民党・前沖縄県議) 
          中村洋(国民民主党・東京都議) 

自治体議員立憲ネットワークおきなわ        
共同代表      仲村未央(社民党・前沖縄県議)
           赤嶺昇(無所属・沖縄県議) 
      比嘉京子(沖縄社会大衆党・沖縄県議) 
          仲村善幸(無所属・名護市議) 
          新垣博正(無所属・中城村議)